第三十五計 計略を策応させよ
「将多く兵衆くて、以て敵す可からざれば、其をして、自ら累れしめ、以て其の勢いを殺ぐ」「連環計」は、さまざまな計略で数珠つなぎのように罠を仕掛け、敵軍の強大な兵力を弱小にして目的を遂げる作戦である。」
時代背景
本計の例話は、第三計「借刀殺人」のまんがでも引用した三国時代の赤壁の戦いである。織田信長を思わせる名将曹操が、華北についで江南をも手に入れようとして八十万ともいわれる大軍を擁してきたにもかかわらず大敗を喫したのは、機略縦横の将、呉の周瑜と劉備軍の諸葛孔明という希代の策士二人が、長江という曹操にとって初めての河水作戦で智謀の粋をこらした謀略に対し、トリプルプレーで演出したからにほかならない。おそらく周瑜も孔明も、そのほかの呉・劉備連合軍の諸将も、「自国の興廃この一戦にあり」という気持で策を練り計画をたてて実行したために、曹操の大軍を打ち破ることができたのであろう。連環計の例話としてはこれ以上のものはないように思われる。
赤壁の大勝は智謀のトリプルプレーの結果
敵軍の戦力が強大なときは、無理に戦いを挑んではならない。さまざまな計略を用いて牽制し、その優勢な戦力を弱体化させなければならない。