第二十二計 門を関ざして賊を捉える
「小敵は之れを困じて剥ぐ。往く攸有るには利ならず」「門を関ざして賊を捉える」とは、敵軍の退路を断って包囲し、殲滅する作戦である。」
時代背景
後漢は光武帝から章帝にいたる約六十年間は威勢さかんであったが、その後は幼弱な皇帝などのため衰えを見せ、これにともない宗教が広がり政府が弾圧すると黄巾の乱が起こった。この乱を機に宦官(去勢した男子で宮中の奥向きに仕えている者)に対する非難が高まり、それを討伐した董卓が死ぬと、中国の権力闘争は関中から中原に移った。このため中原においては図のように割拠していた群雄間に俄然激しい逐鹿戦が起こった。本計の例話はその争いの中で、曹操が下邳に退いた呂布を捉えたときのものである。
曹操の呂布捕獲作戦
弱小な敵軍に対しては包囲、殲滅する。しかし、瀕死のあがきをする敵軍に対して、背後から急追、深追いするのはきわめて不利である。