兵 法 三 十 六 計

勝戦の計  敵戦の計  攻戦の計 
1・瞞天過海 2・囲魏救趙 3・借刀殺人 7・無中生有 8・暗渡陳倉 9・隔岸観火 13・打草驚蛇 14・借屍還魂 15・調虎離山
4・以逸待労 5・趁火打劫 6・声東撃西 10・笑裡蔵刀 11・李代桃僵 12・順手牽羊 16・欲擒姑縦 17・抛磚引玉 18・擒賊擒王
混戦の計 併戦の計 敗戦の計
19・釜底抽薪 20・混水摸魚 21・金蝉脱殻 25・偸梁換柱 26・指桑罵槐 27・仮痴不癲 31・美人計 32・空城計 33・反間計
22・関門捉賊 23・遠交近攻 24・仮途伐虢 28・上屋抽梯 29・樹上開花 30・反客為主 34・苦肉計 35・連環計 36・走為上

■ 三十六計「詭道」の集大成
■ 兵法としての「三十六計」
■ 兵法三十六計の「かたち」


樹 上 開 花じゅじょうかいか

三 十 六 計

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第二十九計 樹に花を咲かす

「局を借りて勢を布かば、力小にして勢大なり。鴻、逵に漸む、其の羽用て儀と為す可し」「樹に花を咲かす」とは、欺瞞的で狡猾な手段を借用し、大仰に騒ぎ立て、弱小な兵力を強大に見せかけ、敵軍を震撼させる作戦である。」

時代背景

秦が天下統一を達成したのは紀元前二二一年である。本計の例話にある田単の火牛の攻撃は前二七九年であるから、すでに秦の東方攻撃「天下皆西嚮(嚮は向うの意)」は始まっていたとみてよい。斉が燕将楽毅の指揮する諸侯軍に破れてから五年後、楽毅将軍は讒言を信じた燕の恵王によって失脚させられた。斉はすでに衰退し山東半島の方に押されていたが、この好機を生かして燕に攻め入ろうと、田単は策を講じて燕を油断させ、火牛を使って敵を圧倒したのであった。しかし秦の優勢はいかんともしがたく、秦はほこ先を魏から趙に向け、再転して楚を攻め、さらには周を滅ぼし、やがて楚、趙、韓、魏の連合軍をも撃破するのである。

田単、火牛を使い燕軍を撃つ

他軍の局面を借りて有利な陣形を作れば、兵力が弱小であっても、陣容を強大に見せることができる。鴻は天空に翔けて帰ってこないが、その落した羽は儀式の飾りにすることができるようなものだ。